
英語 翻訳が与えた大きな影響
日本人の感覚ならば、他人の国に勝手に入ってきて、その国の人々の税金を負けるなんて、そんな厚かましいことはとてもできない。
彼らは、そんなことはわずかも感じない。
「難民」としての権利を、堂々と主張するだけ主張する。
かつて先祖が欧米に奴隷として売られたこ大長編小説『ローマ人の物語』で知られるイタリア在住の作家、塩野七生氏が月刊誌『文雲春秋』誌上に、ナイジェリア難民について原稿を寄せている。
ナイジェリアはアフリカ大陸の西部に位置し、かつて「奴隷海岸」と呼ばれた国である。
この国からの自称「難民」に、地中海国家のスペイン、イタリア、フランスが頭を抱えているのだと力。
ナイジェリアの人々はゴムボートで大西洋、地中海を渡ってくるのだが、ョIロッパの「領」に入ると、マニュアルにしたがい、携帯電話でSOSを発信し、難民として保護して比べればこんなことくらいと思っているのかもしれない。
この「難民」がいったいどれだけいるのか?毎年、数十万人という単位で押し寄せてくるというのだ。
納税者にしてみれば、彼らを助ける余裕があるなら、税金を下げてほしい、行政サービスを充実してほしい、と考えるのも当然である。
いまヨ−ロッパで、こうした不法難民の来襲が社会問題となっている。
ユーロ暴落で不透明な時代になればなるほどそうだ。
さらに、この6月末には、日本でも遠くヨ−ロッパで起きている対岸の火事として放っておくことができない事件が発生した。
ところは大阪。
市当局に、突然、中国人侶名が生活保護を申請したのである。
全員が福建省から来日し、残留孤児の親族であると名乗り、定住許可証明を所有。
日本の法律に精通し、福建省を出る前に必要書類を完璧に備えてきていたのである。
大阪入国管理事務所は「日本国憲法に基づき生活保護を受ける権利がある」と判断したが、ほとんどの申請者が同一住所に居住していたため、市担当者は疑念を抱き調査。
その結果、申請を却下。
政府も大阪市の判断を支持したのである。
2010年6月17日、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は、「中国の通貨人民元の対ドルレート変動幅を、0.01パーセントから0.5パーセントに変動させる」と発表した。
アメリカは、強く人民元の切り上げ圧力をかけてきたが、中国は知らぬ振り。
「われわれは、プラザ合意でアメリカのいいなりになった日本とはちがう。
人民元をどうするかは中国の問題。
外国から指示されるいわれはない」もちろん、アメリカの上下院は怒りまくった。
チャールズ・シューマー上院議員は、17パーセントの切り上げを要求し、もし受け容れないならば、中国製品すべてに7・5パーセントの報復関税をかける、と通告。
ナンシー・ペロシ下院議長も「我慢の限界」と表明。
IMFも「人民元は17・ハーセント過小評価されている」というレポートを出している。
議会への対応に苦慮するオバマ大統領が、何度もガイトナー財務長官を北京に派遣し、折衝をもし、この申請が受け容れられたとしたら、一人につき、月17万円ほどの支給となっていたはずである。
すんでのことで、中国人の詐欺師集団に血税を負わされるところだったのである。
人民元相場は、2005年以降、対ドルで上昇し、2008年4月には6.99元まで元高となっている。
ところがリーマンショックが世界経済を収縮させると、6.83元に再固定。
中国国内の輸出企業への悪影響を配慮しての行動だが、以来、このまま変更もないため、中国への批判が一局まるのである。
周総裁の発表直後、1ドル6.8272〜6.7971元へと切り上がるや、「2005年以来の快挙。
われわれは人民元の弾力化を実行してみせた!」と自画自賛したけれども、しょせん、国の都合で固定と変動をころころ変える「日和見管理相場」であることに変わりはない。
国内の企業倒産などを配慮すれば、せいぜい年内3パ1セントの切り上げではという観測もありうるかもしれないが、連日0.5パーセントで上昇すれば、年末には5パーセント超になっているのではなかろうか。
もちろん、中国とてアメリカの圧力に屈して自国通貨を切り上げたりはしない。
米ドルに固定(ドルペッグ制)している人民元は、2010年初めから対ユーロで旧パーセントも上昇(人民元高)している。
中国にとって、ヨ−ロッパはアメリカ以上のお得意さんだ。
ドル高ユーロ安(人民元高ユーロ安)が長引けば、好調な輸出に冷水を浴びせてしまう。
実際、中国の輸出企業は急激に採算が悪化していた。
国家発展改革委員会でも、全国の鋼材価格が7週連続で下落。
製造業購買担当者景気指数(製造業の景況感指標)も3ヵ月ぶりに悪化し、在庫は積み上がる一方で減らない。
在庫ばかりか、外貨準備も増え続け、いまや2兆4000億ドル超。
この国内過剰流動性がバブル経済を演出してきたのだ。
インフレが過熱中の中国では、人民元を切り上げて物価高を食い止めることにも一理あった。
とくに食料品価格の上昇は庶民生活を直撃するから、社会不安ともなりかねない。
一方、人民元を切り上げれば、輸出企業には逆風となってリストラも覚悟しなければならない。
物価高を抑えるか、それとも失業者を増やさないようにするか。
こうして、中国が選択したのは人民元の弾力化(人民元の対ドル固定を解除)であった。
人民元が高くなると、中国製品の国際競争力は弱まり輸出は減る。
アメリカ、日本、周辺のアジア諸国にしてみれば、シェア奪回のチャンス到来である。
「5年間で輸出を倍増させる」と宣言したオバマにとっても、絶好のチャンスだ。
輸出で儲けて収支を改善すれば、アメリカの抱えるソブリンリスクも少しは収まる。
そうなれば、米国債を大量に保有する日中両国は一安心。
ただ、人民元高の意味するところを忘れてはならない。
人民元の価値が高くなれば、それだけ日本製品を安く買えるということだ。
ユニクロや家電製品だけでなく、不動産や会社、企業、法人も安く買えるようになるのである。
つい先ごろ、中国はレナウンという日本の老舗アパレル企業を傘下に収めた。
中国が喉から手が出るほどほしがっていたものブランドだ。
「安かろう、悪かろう」「コピー商品。
それもへたなコピーしかつくれない」と中国企業が自ら手がける製品は、いまだにさんざんの悪評である。
中国製品が売れるのは日本ブランドだからだ。
だから中国はブランドがほしい。
ブランドは一朝一夕ではつくり上げられない。
生産から販売までを一貫して手がける技術、優秀な技術者、従業員、教育システム、なによりも信用ブランドなのだ。
このブランドを手に入れるべく、中国は人民元高をフルに利用して、なりふりかまわぬ買収に乗り出してくるにちがいない。
国策だから、政府資金や中国投資有限公司(CIC)を徹底活用してでも成し遂げようとするだろう。
中国という国は、あくまでも国益最優先の国であり、地域経済や世界経済への貢献とか責任などという発想は、そもそも持ち合わせていない。
にもかかわらず、どこかのお調子者の首相が、トロント(カナダ)で開催されたG8首脳会議の夕食会で、「胡錦涛主席をG8に招待しては?」と気軽に提案したけれども、「いえいえ、わが国はG17で結構です」と、やんわり断られてしまった。
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